Yanagy0084の日記

うつ体験、発達障害考察、コンピュータ関連の記事を書いてます

うつと不公平感の関係


2019/2/17の毎日新聞の記事です

 
 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)脳情報通信融合研究センターの研究
不平等とうつ病との間に、脳科学的に見て強い関連がある、という仮説

■経済的不均衡による精神疾患発生度合
 職階層が低いほど、体だけでなく精神的な健康度も低い
 経済的不平等がうつなど精神疾患に影響している

■不平等で脳の扁桃体が活発化
 「扁桃体
 ストレス物質を放出する脳の部位
 
 ・経済的な平等を重んじる性格の人
  金額差が大きい取引を提案されたとき、扁桃体が活発化する
  つまりストレスを受けやすい
 ・自分が得をしたいと考える個人主義的の人
  あまり変化はなかった

■海馬の活動パターンからうつ病傾向を予測
 「海馬」
 記憶や空間学習能力をつかさどる脳の器官の一つ
 うつ病になると萎縮する
 一度萎縮すると元には戻らない
 
 機能的磁気共鳴画像化装置(fMRI)とAI技術で、海馬の活動パターンから、1年後の予測と、実際の2年後の被験者の結果で同程度のデータが得られた

■罪悪感とうつの関係
 罪悪感が高まった時に活性化するのは、脳の前頭前野であることが分かった
 人間の脳は古代生物から引き継いだ「古い脳」と、人間になってから進化した「新しい脳」で構成されている
 「不平等」の感覚は「古い脳」で、「罪悪感」の感覚は「新しい脳」で生み出されることが明らかになったと結論づけている

2)考察
・不公平感、不幸感に対するストレス耐性の個人差
 遺伝、脳のケガなどにより、扁桃体が過剰に働く人は、ストレスを感じやすい
 そんな人が社会、家庭などで不公平な扱い、いじめなど受けると、ストレス物質が多く放出され、うつ症状になりやすくなると考えられる
 
・最近の社会傾向による不平等感の増加
 以前は狭いコミュニティで格差も少なく満足できたが、今は比べる他者のレベルが高すぎて、不公平感が発生しやすいと考える
 ・経済格差、学歴格差による不平等感
 ・ハラスメントに対する過敏反応
 ・情報ネットワークの発達により、カリスマ層と自分の格差が明確になった
 ・富裕層、成功者など、ごく一部の勝ち組が恩恵を総取りできる社会に変化
 
・一度、うつ症状を引き起こした人はスパイラル地獄に陥る
 不公平感を味わう環境、思考状態から脱しない限り、うつ症状は悪化する
 復職、寛解しても、不公平感、不平等感の克服が重要
 
3)再発防止への考慮
・あるがままの自分、状態を受け入れる
 「森田療法」「マインドフルネス」など、うつ症状になった原因(自分自身、環境など)に対して、「だめだ」と思わず「それでもいい」と受け入れる
 努力放棄と同じかもしれないが、不公平感、不満足度が低減される
 
・他人と比べない
 テレビ、ニュースなどで活躍する人などと比べても、自分が劣っていると感じるだけ
 公に紹介されている人は、その分野のごく数パーセントの成功者でしかない
 その陰で95パーセント近い人は自分と同じく成功していない
 
 周りをよく見れば、自分と大して違いはない人もいる
 昔の階級制度ではないが、上を見ずに、「下を見ればまだ生きられる」
 
・自分でコントロールできないことに悩まない
 家族の健康、会社の業績、日本社会の行く末など、自分でコントロールできないものに対して、悩まない
 責任放棄と同じかもしれないが、まず「自分の人生を大切にする」こと