発達障害とプロゲーマーの親和性
昨今、「プロゲーマー」という職業が認知されつつある
具体的には「eスポーツ」といいテレビゲームの対戦の大会賞金を稼ぐ職業となる
これと発達障害者の利点が一致している部分が多い
1)他者とのコミュニケーションを(あまり)必要としない
ASDなどは他人とのコミュニケーションが苦手である
脳機能レベルが高ければ、あらゆる行動パターンを考えて、ルール的に最適と思える行動をすることは出来る
しかし大抵のASDは相手の考えや、自分の行動結果の反応を意識するのが苦手である
社会でも一般的には他者とのコミュニケーションは必須能力である
ビジネスにおいてもコミュニケーションが出来ない人は仕事が成り立たないことが多い
しかしプロゲーマーは個人事業主に近い
eスポーツのチームに所属する必要はあるが、基本的には個人の技術を高めることが目的となる
他のチームメンバーとの練習は行うが、相手の気持ちを気遣う必要はない
実際の対戦画面(ゲーム画面)においても、登場人物の気持ちを量る必要はない
練習も家の部屋でも出来る
これがASDの人にとっては非常にメリットになる
2)同じことを繰り返し行うことが苦痛でない
対戦ゲームは実は単調な技や動作の繰り返しが必要となる
練習も同じ技を繰り返し地道に行い、最適なタイミングを体で覚える必要がある
普通の人なら同じ技を毎日100回練習するのはかなり苦痛だが、自閉症要素がある人にとってはそれほど苦ではない
逆に楽しいと感じることもある
これは非常にメリットになる
3)多くの情報知識を必要とする
対戦ゲームの多くは、仕様キャラクターやステージ、武器などが多彩である
それらの情報を全て知っておくことは大きなアドバンテージになる
発達障害の中には特定の情報を非常に詳しく覚えることができる人がいる
こうした人は対戦相手やステージの攻略方法を即座に把握することが出来る
これは非常にメリットになる
4)人格、学歴をあまり必要としない
発達障害の人は学校の成績が悪かったり、性格が歪んだ人も多い
不登校で引きこもっている人や学校になじめず、退学した人も多い
しかし「eスポーツ」の敷居は低く、誰でも入ることができる
引きこもりでゲームばかりしているのが功を奏して職業にできる可能性がある
学校にいかない分の時間をほぼ練習や情報収集にあてられるのは大きなメリットになる
5)今後の展望
まだ「eスポーツ」はそれだけで生活出来たり、地位を築けているわけではない
認知されればプレーヤーの人格にもスポットが浴びることになるだろう
スキャンダルも心配しなくてはならない
ボクシングと同じようにプレーヤーを守るプロモーターが不可欠となる
うまくいけば世界マッチなどで1試合で数億円稼げる時代になるかもしれない