うつ回復とおしゃべり
うつ症状の悪化とリハビリで共通していたこと
それは会話の量と脳の働きが相関関係にあった
■うつ症状で休職していたとき
・声がでない
喉の筋肉が衰えていて声を出しづらい
口角部分の筋肉も衰えていて発音しづらい
何かゴニョゴニョ言っているよう
言葉がはっきりしない状態だった
・相手の言葉が理解できない
長い文脈で話されると言葉の理解が追いつかない
英語など外国語のスピーチを聞いている感じ
・言葉が思いつかない
自分の思っていることを表現しようとしても、頭に言葉が浮かんでこない
■うつ状態の検査
・検査方法( 光トポグラフィー検査)
脳の血流を測定する機械をつけて検査した
音声ガイドが50音の一つを言う
その音で始まる言葉を出来るだけ喋る
・検査結果の診断
前頭葉の血流が少なく、うつ症状だと診断された
側頭葉の血流は正常だったので、抗うつ薬は効果が出ているとのこと
・医学的根拠
前頭葉は言葉を発する機能を司っている
この部位が機能しないと、失語症などの病状になる
側頭葉は言葉を理解する部位
この部分が機能しないと、発する言葉が正しくないなどの症状がでる
■リハビリ(初級編)
家の中で行う
・口角の運動
唇の筋肉を鍛える
口を大きく開けたり、アイウエオ順に口を動かす
・舌の運動
ベロを出来るだけ外に出して上下左右に動かす
レロレロ舐めるような動作をする
口の内側の筋肉を回復させる訓練になる
いびき防止にもなる
・頬の運動
頬の筋肉を鍛える
口角をあげて、笑うような口をする
・しりとり
毎日10分位、しりとりをする
言葉を引き出す脳機能の訓練になる
・音読
小説や新聞の記事などを音読する
発声の訓練、言葉の認知の脳機能の訓練になる
・カラオケ
音読と同じ訓練だが、声の高低を伴うので、喉の筋肉の回復になる
■リハビリ(中級編)
外出出来るようになったら行う
・買い物(レジの会話)
「レジ袋はいりません」
「カードで支払います」
など簡単な会話をする
会話のやりとりをする訓練になる
・飲食店のオーダー
ファーストフードや喫茶店で注文する
言葉を的確に発声する訓練になる
・病院の医師との会話
自分の症状や出来事を正しく伝える訓練になる
■リハビリ(上級編)
医師からリワークの許可が出る程度回復したら行う
リワーク施設などで行う
数人のグループで行う
・連想ゲーム
テーマに関連するキーワードを多く出す
言葉を記憶から引き出す訓練になる
・ディスカッション
テーマに従って自分の意見を言う
相手の意見を理解する
会話力、理解力の訓練になる
・誉める
相手もリハビリ中なので否定したり、非難すると悪影響がある
出来るだけ良いところを見つけて誉める
言葉を選定したり、表現方法を回復する訓練になる
*余談
とある意識が高い系のビジネス本を出している人の話
精神病院の患者達はお互いに甘えあっている、
だからそんな病気になるのだ、と本に書いていた
おそらくグループディスカッションで、お互いに誉めあう場面を見て、そう感じたのではないか
・プレゼンテーション
大勢の前で発表する
声を大きくハッキリと出す訓練になる
緊張感に慣れる訓練にもなる
・雑談、お喋り
ふとしたことをキッカケに関連する会話を続ける
最初は5分から10分位続ける
大分会話出来るようになってきたら、時間を延ばす
30分から1時間位会話を続ける
お茶や食事をしながらでもよい
連想力、総合的な会話力の訓練になる
■リハビリ(超上級編)
職場復帰できる段階になったら行うのもよい
「注意」
※失敗すると、逆に自信喪失するので注意
※相手がいる人に限る
・デート
高レベルの会話力の持続が必要になる
・相手は健常者なので会話のスピードも早くなる
社会活動を行えるレベルに上げる訓練になる
「派生効果」
・計画(日程調整、店探し、服装など)は前頭葉をフルに使うリハビリになる
・性行為
うつ症状があると性欲がなくなる
また男性は勃起不全などの症状も出る
キス、愛撫などが口の筋肉の運動になる
「派生効果」
・生存意欲の回復を図れる
・相手に受け入れられたという多幸感が得られる