ASD/ADHDの興味の持ち方と勉強対策
特定の遊び(ゲーム、ネット動画など)に夢中になる
他のことには興味を示さない
幼児や自閉症の症状によく似ている
1.過去の経緯
(1)2,3歳の頃
子供向けのビデオ、DVDなどをずっと見ている
他の遊びには興味がない
新しいおもちゃがあっても、最初は珍しく遊ぶが、10分もすると興味がなくなる
(2)小学生の頃
何かに憑かれたようにNintendoDSのゲームばかりしている
あまりにも止められないので、時間を制限することにした
時間を過ぎても止めないので取り上げると、地団駄を踏んで癇癪を起こす
「ゲーム時間」を2時間までとした
>残り時間の計算ができないらしい
あと10分で終わりだから、そろそろ止めよう、という考えができない
時間ぎりぎりまでゲームをやる
区切り(データセーブなど)をそれからつけようとする
ゲームセーブしたり、RPGの装備を整理するのはゲーム時間じゃない、と言い張る
(3)中学生になった頃
ゲームとパソコンでネット動画ばかり見るようになる
ゲーム攻略の動画やゲーム関連のページをずっと見ている
ゲームができる時間帯を決めた(17時から20時まで)
20時になったらやめる、というのは理解できるらしい
しかし夕食も食べずにゲームをするので、食事時間(18時~)も明確にした
(4)高校生、浪人生
チャレンジのネット授業用にタブレットをもらった
Youtubeのアプリがあり、合間をみてはずっとYoutubeを見ている
勉強をしていても5分くらいで休憩をとり、ネット動画を見ようとする
見ていないと勉強しながら動画を見ようとすることもあり、勉強したことを覚えられるのか不安
土日休日も朝から動画を見ようとする
外出もしようとしない
(5)大学生
スマホを持った
※学校からの案内や、学生間のやりとりで必要
スマホゲームに夢中になる
使うデバイスが変わっただけで、高校生のときと全く生活パターンは同じ
2.仮説
思考ルーチンが単純
何をするにしてもその時に興味をもっていることを思い出す
そのかわり現在行っていることを忘れてしまうのではないか?
興味事を思うー>脳内興奮が高まるー>直ぐにやりたい
※ここで現在行っていること、優先順位を忘れてしまう
ADHDの人は記憶のストック量(キャパシティ)が少ないのではないか?
「興味事」を脳内メモリに格納すると、「今行っている脳内メモリ情報」が押し出される=消える
そのため何をしていても興味事をしようとするのではないか?
よくネット中毒、スマホ中毒など聞くが、全く同じ症状である
とにかく何かをしていてもゲーム、ネット動画のことで頭が一杯になるらしい。
依存症の人は発達障害の要素を元々もっていて、依存する対象が変わるだけなのではないか?
3.影響
興味が一つ、二つしかなくなると、社会生活を行ううえで、基礎教養やコミュニケーションなどの成長チャンスを逃してしまう
ただでさえ社会性に欠けるのに、ますます人格形成ができなくなる
また、外出しない=家がいい=引きこもり という負のスパイラルに陥る可能性がある
4.対策
以下のルールを決めた
A)勉強中は動画を見ない(タブレットは一人のときは使わない)
B)土日休日は計画していた分の勉強(チャレンジ、学校のワークなど)を完了してから、自由時間とする
C)土日休日の午後は必ず外出することとした
5.効果
効果なし
A)ルールは定着しない
勉強を始めて数分で気が散ってしまい、動画を見ようとする
ルールがあること自体を忘れてしまっている
横で注意をすると気がつく
B)朝、自分が起きるのが遅い
※これも発達障害の特徴
昼前に様子を見ると、朝食後に動画を見ている
C)行くところが限られている、友達もいない、やることがない、
家で動画・ゲームしてたい という気持ちになるようだ
6.振り返り
本人の中では優先順位が、動画・ゲーム>>>>>>勉強 となっている
ルールを作っただけでは効果がでなかった
またルールがあること自体を忘れてしまう
まず以下のルールを守るための施策を行うことにした
(1)優先順位を説明する
動画・ゲーム<勉強 と理解できるように説明する必要がある
勉強の目的(学校の学習の理解、受験、高校以降の進路の選択肢の違い など)を説明する
(2)土日休日に計画を立てる
自ら計画を達成しなければならないことに気づくようにする
前日夜間に「朝勉を午前中に終わらせる」というメモをテーブルの上に置いておく
(3)必ず1度は外出させる
行く宛てがない場合は、適当な買い物を頼む、図書館に行く、など用事を作らせた
またしばらくこれで運用してみる