Yanagy0084の日記

うつ体験、発達障害考察、コンピュータ関連の記事を書いてます

LDについて 2


LD(学習障害)について その2
 
読んでみた。
学習障害(LD) 拓植雅義著 中公新書
 
文庫本だけあってお堅い本であった。
著者は障害児教育の専攻を持ち、特別支援教育調査官であり、各種の調査や研究などの紹介がされている。
 
<序論>
・LDとは何か
・学ぶ側のニーズ、教える側のニーズ
など学術的な事例を紹介しながら、説明がされている。
 
LDはADHDなどと併発していることも多い
紹介されている事例も計算、読み書きなどのLDの症状を持つ子どもが、落ち着きがない、席を離れるなどの行動があるとしているが、これはADHDの症状でもある。
後半でLDを持つ人は50%くらいはADHDでもあると説明している。
実際に自分の子どもを観ていても同感と思える。
 
<教育支援について>
アメリカでは21歳まで特殊教育支援のサービスがあるそうだ。
日本の場合、小中学校までしかサービスがなく、高校、大学では放置されている。
日本でも認知を向上させて、そのようなサービスを受けられるようにするべきと謳っている。
まさに今、自分の家庭で直面している問題でもある。
発達障害をもつ人は社会から落ちこぼれてしまう仕組みになっている。
 
<社会支援について>
本の最後ではLDというよりは発達障害全体の課題として、障害をもつ人材が教育、社会において支援を受けられるようになるべきとしている。(アメリカのように)
 
日本(あるいは世界全体)では「等質性」から「多様性」に変わっているが、発達障害者も多様性の一つとしてニーズを汲み取ってあげるべきと説明しているが、これは果たしてどうか?
 
サービスの多様性はコストにも跳ね返る。
少人数の極端なニーズに対してサポートするとそれだけコストがかかり、経済的ではない。
マクドナルドのメニューに点字メニュー、ひらがなメニュー、音声メニューなどあったらどうか?
身体障害者のためにエレベーターを全店設置したらどうだろうか?
その人にとっては便利だが間違いなくハンバーガーは値上がりするだろう。
90%以上の普通の人はメリットがなく、デメリットだけである。
全体的な売り上げは落ちてしまうだろう。
自分の子どもを棚に上げるようだが、マイノリティの人権は必要だが、ニーズにこたえると間違いなく全体的な生産性は下がる。
発達障害者が生産した分だけ還元できるようにしてくれればよい。
 
<引きこもりとの関係>
最後に小学生の発達障害をもつ親に登校状況を聞いたアンケートでは、10%の子どもが不登校になっている、と答えている。
やはり、という感じがした。
 
LDやアスペルガーの子どもはそれなりのプライドは持っている。
うちの息子もプライドが高く、問題集の回答が間違っていても、×をつけない。
本人的にはダメなレッテルを貼られるのが嫌らしい。
でも社会に出ると、ダメだしされるのは当たり前なのだが。
 
引きこもりの原因の一つに発達障害がある、というのは確率が高いのではないか。
うちの息子の場合、感受性が悪いのがいい方向に働いていて、学校には毎日行っている。
鈍いのが幸いしているというところか。
 
<最後に>
調査、研究の内容をもう少し、学術的にグラフや図などで紹介してもらいたかった。
文章もロジカルでなく主題がはっきりしないので、何を言いたいのかよくわからない。
さっと、流し読みする分にはよいと思う。