なぜ高齢者は詐欺に引っかかるのか?
これには加齢による思考力の低下が影響しているそうです
■高齢者の思考
人間の判断、決断は大まかに2つの思考に基づいています
1)状況から情報を取得して判断する思考
2)過去の経験から判断する思考
加齢とともに、新しい情報を脳で理解する能力(記銘力:きめいりょく)が衰えます
1)の状況から情報を取得して判断する思考力が低下します
具体的には、電話がかかってきても、相手が誰なのかすぐに分かりません
すると2)の過去の経験から類似するパターンだけで判断するようになります
もし電話で「オレだよ」と言われると、過去の経験から自分の知っている人間を辿り、”勝手に”、”都合よく”、知人だと判断してしまいます
更に「トラブルを起こしてしまった」と言われると、過去の経験から”トラブルは何とか解決しなければ”という判断をしていまいます
また高齢者は自分の長く生きてきた経験が正しいはず、と思っています
相手が完全におかしな話をしていても、自分の判断が正しいと疑いません
■判断力が低下しているのは
判断をするときは前頭葉が機能します
加齢により前頭葉の機能が衰えると、判断力が低下します
あれ?うつ症状と似てますね
■長生きとストレス
高齢者が認知症やボケになりやすい、という一方で脳負担が多い人は短命になりやすいという逆転現象になります
・脳に負担をかけずに生きてきた人
=脳機能が低下しやすい
=高齢者になって認知症、ボケになりやすい
=詐欺に引っかかりやすい
・脳に負担をかけて生きてきた人
=ストレスを受けやすい
=うつ、がん、成人病など疾患を発病しやすい
=詐欺に引っかかる前に他界してしまう
どちらの人生が幸せなのでしょうか?
■近年の加齢保護対策
最近は高齢者や発達障害者向けの保護対策が検討されています
具体的には、説明書、標識、注意書きなどを健常者ではなく、高齢者や発達障害者にも理解できるように記述するように、官庁レベルで検討されています
「ユニバーサルデザイン」(Wiki)のように、「シニアデザイン」も考案されるかもしれません